【vol.4】組織が大きくなっても働いている人とは本音で話したい-なぜ私がここで働くのか-

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ダイバーシティ工房とそのサービスを利用する方との関係性に危機感を覚えた出来事は、自分と組織や、スタッフと組織の在り方を改めて振り返るきっかけにもなりました。


具体的に感じたことを教えてもらえますか?




「ダイバーシティ工房で掲げている『困ったときに相談できる場所』が自分自身には実はないんじゃないか、ってふと思ったんです。


子どもを産んで6年間、事業をやりながら30年も住んでいるこの地域に『自分自身が本当に安心して、気軽に相談できる場所や相手がいるのだろうか?』と考えると、実はいないかもしれない。


長女がもうすぐ保育園を卒業して小学生になるのですが、6年間もいれば保育園で1人か2人くらいは仲がいい人ができるでしょって思ってたんですよ。


でも、自分の子どもたちが通う保育園に子育てや家族の中で困っていることを相談したこともないし、相談したいと思ったことも実はあんまりなかった。


それに、他の家族と仲良くなるキッカケもほとんどない。


『あれ自分の生活ってこれでいいの?』

『自分は満たされてるの?』


と考えるようになったんです。」



同時に働くスタッフはどうなんだろう?と不破の中で疑問がわきます。


「法人化して間もない頃はスタッフが5人くらいで、仕事とプライベートの切れ目があまりないような生活でした。


法人化当時の不破(左3番目)と大学生インターン


今、ダイバーシティ工房には色んな雇用形態の方、合わせて100人近くの職員がいます。




福利厚生や賃金テーブルが整ったりしていく過程で、創業期のような『混沌としながらも何かを生み出していく』という楽しさは減ってしまった感じがします。


様々な業務の効率化を進めた結果、雑談が減り、ちょっとした違和感や働く上での疑問も言いにくくなったり、楽しくて仕方なかった合宿や会議もだんだんと楽しくなくなってしまったんです。


事業が拡大していろんな制度が充実していく中で、組織や事業の今後について熱く話したり、世の中をどう変えたいかとか、そういう話は創業期ほどする機会がなくなってしまいました。


一般企業と比較したときにNPOで働く価値って、安定した収入とか福利厚生とかではなく、第一に社会の課題を解決している実感や貢献欲が満たされることだと思うんですね。


そして、解決すべき社会課題に対して一緒に向かっていく仲間の存在や、自分自身の成長も働く価値だし報酬だと思うんです。




正直、第二創業期はそういった仲間の存在を実感する機会が減ってしまったことが苦しかったですね。


でも『組織が大きくなるとそういう部分があるのは当たり前だ。それに事業が拡大していく方が大事だよね』と少し諦めていたのかもしれません。


でもやっぱりそうじゃないよな、と最近強く思うんです。


働く価値って、質の高い会話ができる仲間がどれだけいるか、だと実感する機会がありました。


保育事業部の会議で、参加者のみんなと最初に雑談をしたのですが、そのうち1人は30分も話すし、もうひとりは誰も知らなかった自分の過去や家庭のものすごくヘビーな話をする。


でも聞いてて別に誰も暗くならないし、うんうんって真剣に聞いたり自分の意見を言ったり。


『あれなんかこの風景、懐かしいし、おもしろいなぁ』と思って。


人の話にあわせたりしなくって、自分の話を思いつくままできる。しかも会議の冒頭に。


このとき、私が仕事する上でいちばん大事なことは『働いている人と本音で話せるかどうかだな』と改めて気づいたんです。


【vol.5】エンパワメントし合う関係性を目指して-ダイバーシティ工房で事業を創り続けるということ- を読む

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